使用上の注意

せっかく手に入れた憧れのアンティーク時計ですから、その後のケアもしっかり行って、できれば末長く一緒に時を刻みつづけてもらいたいですよね。
ここではデリケートな機械式時計と長くお付き合いしていただくためのポイントをいくつかご紹介したいと思います

機械式時計について


現代ではクオーツ時計が多く見られますが、古くから時計はゼンマイ動力で稼働する機械式時計が主流でした。

電池で動くクオーツ時計は電池が切れるまで(2〜3年)は放っておいても動きつづけますが、ゼンマイによる動力で動く機械式時計はゼンマイのリザーブがなくなると停止してしまいます。 機械式時計はゼンマイを巻き上げてあげることで動き続けるのです。

手巻き時計と自動巻き時計

ゼンマイ動力で動く機械式時計ですが、大きく分けて2つの種類があります。

一つはリューズをまわすことでゼンマイを巻きあげる手巻き時計。もう一つは腕の振りなどの振動で自動的にゼンマイが巻き上がる機構を持つ自動巻き時計です。

自動巻きの時計はダイヤルにそれを示す表示がありますが、ロレックスでは永久をあらわす「PERPETUAL(パーペチュアル)」、チュードルでは「PRINCE」の表記がそれにあたります。他にも「SELF-WINDING」、「AUTOMATIC」などとも描かれることもあります。

手巻き時計

ロレックス、チュードルにはリューズロック機能がついているものがあります。ねじ込み式になっていますので、反時計方向(↓)に回してリューズロックを解除します。

リューズを指の腹で時計回り(↑)に数回巻くとロックが解除されます。

その状態で時計回り(↑)にリューズを回すとゼンマイが巻けます。

巻き止まるまで巻き上げてください。

その状態からリューズを1段引く(→)と時刻調整ができます。

リューズを回して現在時刻に針を合わせてください。

※できるだけ針は順回しで動かし、逆回しにはしないようにしましょう。

防水・水周りでの使用

機械式時計を扱う上でもっとも気をつけたいのが「水気」です。
ひとたび湿気の被害に遭うとその障害は時計全体に及びます。
ダイバーズモデルに限らず防水機能を持つ時計はリューズからの水の浸入を防ぐためのロック機構が備わっていますが、 ひとたびそのロックを閉め忘れてしまうとたとえ何百mの性能を持つ腕時計であろうと瞬く間に機械に水が混入してしまいます。
ロックは閉め忘れのないように特に注意が必要です。

また、防水性能が向上して1000mなんていう防水表示の時計もありますが、防水表示はあくまで静止した状態で測った試験的な数値なので、生活防水(3〜5気圧:30〜50m防水程度)だからといって、プールで泳いでも大丈夫などと考えるのは非常に危険です。
動きのあるシーンでの水圧は何十倍にもなります。水道水なども実際には10気圧程度はかかっていると考えたほうがよいでしょう。

水に入ることを前提としてであれば200m(20気圧)防水以上のモデルを選ぶとよいでしょう。
ただし、アンティーク時計については防水性能は劣化していますので、水周りはできるだけ控えたほうがよいと思います。 また、使用後の汗や水滴がついた後はこまめにふき取ってあげるなどして大切にお使いください

防水表記 防水の目安
生活防水 汗や雨などの水滴程度に耐えられる防水力
100m(10気圧)防水 ヨットなどのマリンスポーツなどに耐えられる防水力
200m(20気圧)防水 ダイバーズウオッチの条件をクリア。ダイビングなどにも耐えられる防水力
300m(20気圧)防水 飽和潜水にも耐えられる防水力

衝撃に対する注意

機械式時計はさまざまな歯車などの部品で構成されているため、衝撃には脆く、大きな衝撃を与えてしまうと故障してしまいます。

自分の時計はスポーツモデルだから・・・というのは誤った認識で、スポーツモデルはあくまでスポーティーなスタイルという意味です。

ゴルフやバッティングなどの腕に強い衝撃がかかるスポーツをする際は、迷わず時計をはずして楽しんでください。

また、クロノグラフなどの多機能時計を操作する際は、頻繁に繰り返し操作したり、力いっぱいプッシュしたりするとそれが原因で故障してしまうことがあります。

プッシャーに限らず、いたわりをもってやさしい操作を心がけてください

オーバーホールについて

オーバーホールは時計を分解、洗浄、組み上げ、注油といった工程でリフレッシュすることです。資金に余裕があれば定期的に実施すると安心です。
 一般的には3~5年ごとに行うのがよいとされています。実際には日常生活で支障がでるような遅れの症状(2~3分程度の遅れ)などが現れてきましたら、ご検討いただくとよろしいかと思います。

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